“なんか、あのままみたいですよ。
結局、弁護士が入っちゃってるから、連絡も止められてるし…
ここから、何ヵ月かかけて、ちゃんとした負債の金額を出して、
破産手続きするらしいです。
うちの会社にも、未払い金額を提出してくださいって、
弁護士事務所から、ファックスが来たらしいですよ。”
“なるほどー、たぶん、うちの会社の50万ぐらいの規模だと、
お金は戻ってこないんだろうけど・・・”
“そんなもんなんですかね~”
麻紀は突然、
“圭介!圭介は営業だから、商品は売らなくちゃいけない!
そして、売ったお金は、ちゃんと払ってもらうことを命じる!”
と、わざとらしく敬礼をしながら、圭介に、言ってみた。
圭介も、敬礼をして、
“了解しました。麻紀先輩!今後とも、よろしくお願いいたします!”
と、言って笑った。
もちろん、麻紀も笑い返し・・・
もう、会社に残ってるのも二人だけで、
時間も遅くなってきて、そして、圭介と麻紀は、二人で笑っていた。
二人は、また 仕事をし始め、少しすると、
圭介は、デスクのパソコンを落とし、帰り支度を始める。
それを見て麻紀は、
“圭介、もう帰るの~?”と聞いてきた。
“そろそろ、帰ろうかと…”と圭介が返事をすると、
“ご飯、食べに行かない?、お腹すいたんだよ!”と、麻紀。
“いいっすよ、軽く行きますか?”
“じゃ、私も切り上げるから、ちょっと待ってて”
そして、圭介と麻紀は、会社の近くにある、
深夜まで開いているカフェに、入って行った。
“おつかれー”圭介と麻紀は、ビールで、乾杯をする。
“麻紀さん 仙台で何食べてきたんですかー?”
“もちろん、牛タンだよ。牛タン。
あっちの牛タンって、こんなに厚いんだよ!”
そう言って麻紀は、指を広げて、
牛タンの厚さを少しオーバーに表現してみせた。
“まじっすか?”圭介が、素直にびっくりする。
その、びっくりしている顔を見て、
こいつ、ちょっと可愛いいなーって、麻紀は思う。
そして今日、新幹線で隣に座っていた、
優しそうな白髪の人のことを思い出し、
圭介も年取ったら、あんなふうに、優しそうになるのかなーなんて、考えてみた。
そして、麻紀は、新幹線の中の、優しい香りを思い出す。
麻紀は、グラスに入ったビールを飲み干し、新しいビールを注文する。
圭介は、少し酔った顔で、煙草を吸っている。
【happy?(22) 終わり】
