ご機嫌よう
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膵臓がんで緩和病棟に入院した
父との時間を
綴ってみようと思います
タイトルに
"緩和ケア父との時間"としています
ご興味のある方はどうぞ💁♀️
故郷に向かうインターの出口は
鮮やかな濃いぴんくの花が
咲き乱れていた
家の近くの桜はまだ五分咲きで
まだ準備中の気がしていた
そうか
桃が満開かあ
濃いぴんくの桃の花
柔らかいぴんくの桜の花
足下にはなのはな畑
青い空には雄大な富士山🗻
見守るように静かに広がる南アルプスの山々
そんな 故郷の春
今日はあいにくの天気だけど
かすみ立つ花の色は
ひどく優しくみえる
5日ぶりの
父に会いにいく
緩和病棟
面接条件は厳しい
一日一回 30分以内 2名まで
予め申請した二親等まで
それ以外は3名まで可だとか
毎回
必要事項を記入して受付
今日はひとりで来た
ナースステーションには誰もいず
待機室からコールするよう案内があった
ドキドキしながらコールを押す
しばらくすると姿がみえた
今処置中だからと待機するよう指示される
20分が過ぎた頃
ようやく担当者が声をかけてくれた
次回持参して欲しいものメモを渡される
今持ってきているものと重複していて
不思議に思う
横の連絡がひどいんだと
弟がいっていたことを思い出す
いろんな病院にお世話になっているので
いろんなものがみえる
グーグルの評価もだが
相変わらずの雰囲気だ
それは全体を覆うカラーになる
まあそれはそれとして
こちらのスタンスは変わらない
部屋まで案内してくれたお礼をいう
神数字な父の部屋
反対から読んだら弥勒なのだ
ひょっこり覗くと
しんどそうな姿と対象的な
ハリのある声がした
来てくれたの!
父はとても喜んでくれた
今日はどうかと尋ねると
首をふる
話したいけど言葉が出ない
力を振り絞らないと
声にならなそうだ
なんの処置をしていたのか
教えてくれなかった
聞かなかったからか
TVを消して欲しいといわれ
静かになった部屋で父と束の間のひととき
胸と肩に手を置き
ヒーリングを無意識にする
桃の花が満開だったと話すと
父は目を見開き
あ 見える 見えるよ
きれいだな
桃の花は鮮やかだな
子どもみたいだ
桜の花の匂いもする
うっとりと眺めている
幻の花見🌸
そこには
母がいて
ものすごく楽しそうに笑っているだと
いいねえ
娘は父の見ている風景を
一緒に眺める
春はいいねえ
いいたいことはたくさんあるけど
言葉にならなくて
と
掠れた声でいうので
大丈夫だよ
花の匂いがするように
風が気持ちいいように
鳥の声が楽しそうだと感じるように
お父さんの言いたいことは
言葉にしなくても
ちゃんと伝わるよ
心でわかるから
安心して
ゆっくりと
花見を味わう時間をもらったんだよ
たっぷり味わえばいいんだよ
そういうと
父はとてもしあわせそうに
満足そうに
目を閉じて
それを味わう
いい顔だな
外は雨
父のみている風景は
どんなに素晴らしいだろう
そこには
私や弟もいて
みんな笑っているそうだ
じんわりと
あたたかい日差しのような
レイキを感じる
これまでなら
痛いとか焼けつくとか
辛いんだと感じる感覚があったが
春の日差しのシャワーのように
優しく響く
春はいいね
お父さん