よもぎが星になって幾ばくか
わかっていたはずのロスは
やっぱり受け止めることが辛い
うちの田舎のお悔やみ言葉で
『だんだんお寂しゅうなりますね』
という表現があると
高校時代の倫理の先生が教えてくれたことを
身に染みて思い出している
メンタルクリニックでも
今は一番辛いねと
主治医もうなづく
あれから毎日いろいろないきものが
我家にやってくる
息子の部屋の窓にぶつかり続ける
コガネムシとか
3回くらい来た
最近見かけなくなった
なんたらシジミチョウとか
大きめのモンシロチョウ?とか
小鳥もくるな~
私のスマホの画面上に
突然クモくんが乗っていたり
逃がしても逃がしても出現する
とにかくやたらといろんな生き物がくる
昨日は窓から入ってきたらしいGが
リビングに出現
ひい~~~~
走り方がよもちだ!と息子
似てないから
さすがにやっつけました(ごめんよ)
その度
転生が早いね
とか
今日の乗り物は乗り心地が悪そうだ
とか
勝手なことを話している
毎日毎日
よもぎの幻がいる
我家に来た頃のよもぎ
横になっていると
手に乗ってきたり
ちっちゃなおててを添えてみたり
近くでちょろちょろしている
家中のいたるところによもぎの気配が絶えない
「よもぎおはよ~」
「いってくるね~」
「よも・・・」
何気に口にして自爆する
いつまでもこのままではいけないと思いながら
せいぜい買い物に行くのを頑張ってみたり
散々手を抜きまくった家事を
同じ返事しかできない
出来損ないのロボットのようにやってみたり
勇気の出せない就業への意欲を持ってみようと
まるで他人のことのように
ぼんやりと考えていたり
忙しくすることで
いろんな辛いことに蓋をしてきた癖は
今は全く役に立たず
つくづく
「自分がなにがしたいか」という
体幹のない生活を送ってきたのだなと
失笑する
胸が苦しい
穴が空いたという表現ではなく
また寂しくなってしまった
さみしいよう・・・
無償の愛は報われるためのものではないから
この無情も愛を手向けた証
繋がらないシナプスでさえ喪失の辛さを
ギスギスと伝えてくる
死に直面することに慣れはない
同じ数だけ打つ鼓動の数は
私にはあとどのくらい
残されているのだろう
高くなった空を見上げる
複雑に重なりあらゆる形を作る白い雲
同じ姿は二度とない
手放した今は
次の瞬間過去になり
ミライを夢見るイマになる
私はミライをどうしたいのかな・・・
よもぎに手向けたピンクの花は
翌々日まで咲いていたりもする
よもぎが悲しまないでといっている・・・
わかってるよ
もう少し時間をちょうだいね
ねえ、よもぎ
キミの小さな温もりがとても恋しいよ