【デビト】義眼のメモリア Ⅱ | B→Cabinet

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レガーロ島を、様々な外敵から守る自警組織“アルカナ・ファミリア”。
“アルカナ・ファミリア”において“金貨”は流通を担っている。
そして、会員制の秘密カジノ、“イシス・レガーロ”の経営もまた、“金貨”の管轄だ。

「さァ、もう張る奴は居ないか!」
「ネーロのドゥーエ!!」
「んじゃ、いくぜェ――」

裏路地の地下にある“イシス・レガーロ”。
このカジノのオーナーであり、“金貨”のセリエの幹部でもあるデビトは、一際盛り上がっているテーブルに就いていた。
客を楽しませるのもまた、仕事だ。

来客を知らせる様に、扉の軋む音が微かに聞こえた。
熱気に歓声と落胆の声、独特の雰囲気の中へ、一人の少女が現れる。
彼女の姿を視界の端に捕らえると、デビトは部下にその場を任せ、彼女の許へと向かった。

「ようこそ、欲望とスリルの楽園“イシス・レガーロ”へ!・・・カポに用っすか、お嬢?」
“金貨”のコートカードの一人、ジェルミが笑顔で少女を出迎える。
彼が出迎えた少女こそ、“アルカナ・ファミリア”の次期“ドンナ”、“剣”の幹部を務めるフェリチータだ。
フェリチータはジェルミに微笑みかけ、
「うん。デビトは居る?」
「カポなら、あそこのテーブルに居ますよ。・・・それにしても、お嬢は相変わらず、可愛いっすね」
「あ、ありがとう」
ジェルミの言葉に、少し顔を赤らめながら、フェリチータは礼を言った。
“金貨”では挨拶みたいなモノだというのは、解ってはいるが、言われると一瞬戸惑ってしまう。
尚も、ジェルミは言葉を続けた。
「お嬢はまるで・・・」
「“まるで”、何だって?」
そこへ、デビトが口の端を吊り上げながら近付き、ジェルミの肩に手を置く。
「か、カポ・・・!?」
驚くジェルミを余所に、デビトは意地の悪い笑みを浮かべた。



《続く》