【母と娘】みんなのクオーレ | B→Cabinet

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何気なく過ぎる日々から、趣味の話、創作活動について綴っています(´ω`)

“アルカナ・ファミリア”のマンマことスミレは、占い師であり、“審判”のカードを持つ“大アルカナ”でもある。
しかし、強い能力(ちから)の持ち主である彼女でも、時と場合に因っては、予期し得ない出来事に見舞われたりするのだ。


――フェリチータの私室。
フェリチータとスミレが向かい合って、お互いに顔を見合わせていた。
「マンマ、これって」
「あら、やだ・・・こんな事ってあるのねぇ」
「入れ替わってるよね・・・」
「うふふ。そうみたいね」
彼女は楽しそうだ。
フェリチータ――スミレ――は艶やかな笑みを浮かべ、
「そうだわ。折角だから、皆に悪戯しちゃおうかしら」
スミレ――フェリチータ――が、首を傾げた。
悪戯?
何をする気だろう。
「暫く、身体借りるわね」
「マンマ、どこに行くの!?」
「うふ。内緒よ」
フェリチータ――スミレ――はウインクしてみせると、瞬く間に部屋を飛び出して行った。
「行っちゃった・・・」
スミレ――フェリチータ――は、止まり木で首を傾げているフクロウの頭を撫でた。
「悪戯って何の事だろうね?フクロータ」
「ホォ?」
何をする気なのかは、皆目見当も付かない。
今出来る事と言ったら、スミレが戻ってくるのを待つくらいか。
下手に動いて、面倒事を増やしてしまうのは嫌だし。
取り敢えず、待つ事にした。


フェリチータ――スミレ――が、まず足を運んだのは食堂だ。

――ここで誰かに、会いそうねぇ。

「あれ?お嬢、こんなところで奇遇だな!」
やって来たのは、リベルタだった。
「リベルタ。丁度、訊きたい事があったのよ」
「え」
リベルタが目を丸くさせて、訊いた。
「訊きたい事?」
フェリチータ――スミレ――はリベルタにぐっと顔を近付けて、言う。
「えぇ。・・・リベルタには、心から守りたいと思える人はいるかしら?」
「え!?あ、そ、そりゃいるけど・・・?!」
突然、顔を近付けられ、動揺して吃った。
リベルタの顔が、どんどん赤くなっていく。

――ていうか、近っ!

堪えられずに、顔を逸らした。
顔を逸らしながらも、リベルタは必死に答える。
「お、オレにだって、守りたいって思ってる奴はいるよ!そ、その・・・それはさ、お嬢――って、あれ?いない・・・」


「うふふ。真っ赤になっちゃって・・・でも、ちゃんと言葉にして伝えないと。想いは伝わらないわよ、リベルタ?」
彼女はそう言って、くすくすと笑った。


《続く》