柏木ちゃんが好き。

彼女が入学してきて、2週間が経つ。

びっくりするくらいいい子で優しくて、真面目で。

佐江が柏木ちゃん支えなきゃって。


毎日お風呂も一緒に入ってるんだけど、スタイルも良くて。

ドキドキしてるよね笑

優子にはニヤニヤしすぎって呆れられてた。


5月に入ると1週間くらい学校からお休みがもらえる。

でも、手続き問題で九州、四国組は帰ることが困難になり、柏木ちゃん部屋で泣いてた。

喜んでて、しばらくして柏木ちゃんいないことに気づき、部屋から泣いてる声が。


「帰れないって言われたんです」

ギューって抱きしめる。

「1週間、佐江の家来て。一緒に行こう」

「でも。宮澤さん、家族と過ごしたいんじゃないですか?」

「ママたちに、柏木ちゃん紹介したいし。

ね?おいでよ。」

「迷惑ですよね?私いたら。」

「迷惑じゃないよ。佐江が一緒にいたいんだもん。ね?帰ろう」

ギューって抱きしめたまま宮澤さんは言う。


そこまで言ってくれてるから、

「宮澤さん、よろしくお願いします。」

「うん、楽しみだな。夏休みは帰れるはずだからさ、寂しいとは思うけど頑張ろう」

「はい。」

「柏木ちゃん、偉いね」


3日後、私達は1週間のお休みに入った。

宮澤さんのお母さんが迎えに来てくれていた。

「おかえり」

「柏木由紀ちゃんだよね?はじめまして」

「柏木由紀です。急にすいません。お願いします。」

「乗って。入ったばかりなんだよね?学校慣れた?」

「緊張することばかりですけど、宮澤さんがいつも優しいので、すごく安心します。」


「佐江は、自分が末っ子だからやってあげたいんだね。ゆきちゃん、これからも佐江をお願いします。」

「いつも、宮澤さんに迷惑かけてます。」

「柏木ちゃん、偉いんだよ。帰れないって泣いてたけどちゃんと前を向くし、佐江に気を遣おうといつも気をつけてる。

なんか、それが可哀想だなって思うからギリギリまで寝かせてあげようと思って」

「だから、いつも目覚まし止まってたのか」

「柏木ちゃん、佐江にも気を遣ってるのがわかるから。」

「先輩ですもん。」

「ありがとうね。」


そして、家につく。

お昼ご飯を食べて今日はゆっくりした。

宮澤さんの幼少期の写真が飾られていて、

「宮澤さんですか?可愛い」

「佐江、おてんばで走り回っていたのよ。まあ今もだけどさ。活発で大変だったわ。まあ今もでしょ?」

「まあ、毎日元気ですね」

「今は少しは落ち着いたよ。もう17になるもん」

「どうだか笑」


色々話して、夕飯はカレーを作ってくれた。

お母さんの作るカレー美味しかった。


「お風呂入れたから沸いたら入ってね」

「すいませんありがとうございます」

「佐江もね」

「はーい」


「一緒に入るの?」

「寮の規則、同室で入るの当たり前なんだよ」

「そうなんだ。」

「柏木ちゃん行こう」

「はい」


湯船から娘とゆきちゃんの声が聞こえる。

ここの学校に勧めたのはママの私。

お兄ちゃん2人いた佐江にとって、女子たちの中でもう少し女の子っぽくなってくれたらと勧めた。


中学までと比べたら持ち物とか、服装も女の子っぽくなってきたね。


お風呂から出て、寝室に行った2人。

しばらくして佐江だけが来た。

「ゆきちゃんは?」

「寝たよ。気を遣ってたはずだから疲れたんじゃない?ママありがとう。柏木ちゃん、急に呼んできたのに。」


「別に構わないよ。あの子九州から1人で来たんだよね。覚悟がすごいよね。

佐江がゆきちゃん守ってあげなよ。」


「うん、そのつもり。」

「なんか、佐江痩せた?」

「えっ?そうかな。ダンスして動いてるから食べてもあんま太らないだけかも。」

「ちゃんと食べて寝なきゃだめよ」

「うん。じゃあ、おやすみ」

「おやすみ」


佐江のベッドで一緒に寝てるんだけど、寝言でお母さんって柏木ちゃん言ってる。

そりゃあ会いたいよね。