「スー、スー」

「柏木ちゃん、柏木ちゃん」

なんだこの声は、、。

「柏木ちゃん、朝だよ」


あっ、寮だ。宮澤さんと同室。

時計を見てびっくりする。

7時を過ぎている。

「あっ、6時半とっくに過ぎてる」

「柏木ちゃん、ぐっすり寝ていたから起こさなかったよ。良く寝れた?」


「はい。宮澤さんすいませんでした。」

「慣れない環境だもん。ゆっくり寝れたならよかった。着替えてご飯行こう」


「はい」

「宮澤さん。」

「何?」

「洗濯まで干してくれたんですか?すいません」

「だから、いいから。気にしないで」

「すいません」

何度も謝る私に宮澤さんはギューってしてきた。


「佐江、柏木ちゃんと仲良くやりたいからさ。居心地よく暮らそうよ。無理に起こしたりしたくないから、ルール上は後輩がやるってなってるけど、できる方がやるってしよう。」



宮澤さん、めっちゃ優しい。

ご飯中もさりげない気遣いが。

大島さんが宮澤さんに何やらコソコソ話す。

「やめてよ。」って宮澤さんが顔を赤らめる。


「そういえばさ、うちの学校同性恋愛ならいいけど、異性恋愛禁止なんだ」

大島さんが言った。

「ちなみにだけど、優子と1期生の小嶋さん付きあってるんだよ」

「そうなんですか?」

「まあつい最近からなんだけどね。つい最近まで同室で、私が好きになってひたすら告白しまくってたんだ。」


「へえすごいですね」

「まあ、さすがに同室させてはもらえなかったけど、でも嬉しいんだ」


同性恋愛ってあるんだって知った。

大島さん嬉しそうだったな。

今日から、学校の授業。

アイドルになるためのカリキュラムが組まれていて、半年間はアイドルになるための勉強期間。それが合格できたら、学生ではあるけど、いろんな仕事もできるシステムだ。

2期生になると、ステージに立つ機会が圧倒的に増える。まあ、全員ではないけどね。


今日はダンスレッスンをした。基礎レッスン。

午前中にやるだけで汗だくに。

ヘトヘトだった。

お昼に宮澤さんに会ったときに、

「疲れてるね」って言われた。

みんなこうやってアイドルになろうと頑張ってきたんだなって。


1日みんな頑張ってダンスレッスンの基礎を学んだ。