物心ついた頃から、私は歌って踊っていたい。

ステージに立ちたいって家でお母さんの前で、アイドルをしていた。


中学生になったときには、お母さんにもナイショでオーディション受けたこともある。

まあ鹿児島だから東京なんて行けるわけもない。


そんなときに、中学生最後の歳に

高校どこに行こうか悩んでいたとき、アイドル学校を見つけた。東京で。

迷わずお母さんに話した。



私の名前は柏木由紀。

鹿児島に住む15歳。

お母さんに何度も説得して受験をして合格した。

学校兼ステージにも立てる。

すぐに、東京に向かった。

寮生活、親もいない。

アイドル学校3期生な私。


1期生、2期生といて私達は挨拶をした。

ちなみに3期生は10人のみ。

先輩たちは20人いるんだけどね。


アイドル学校生徒会長兼リーダーの高橋みなみさん、私と同い年。

寮や学校生活の話をして、部屋割の話をされた。

言われた部屋に入ると髪の毛がボーイッシュな笑顔な先輩がいた。

「柏木由紀ちゃん?」

「はい。」

「宮澤佐江です。2期生、今日から同室だからよろしくね」

「よろしくお願いします。」


宮澤さんは、1歳年上。

ボーイッシュで明るくて元気な先輩。

「わからないこと色々聞いてね」

すぐに手を差し伸べてくれた。


寮のルールは、お風呂は先輩後輩関係なく、決まった時間内に入ること。

洗濯は1台で部屋2人分のを使うこと。

基本掃除は後輩が率先してやること。

他にも色々ルールはある。


まあ、1番後輩な私達は頑張るしかないよね。


さっそく、夕ご飯。

食堂に宮澤さんと向かった。

席も必ず同室同士一緒になっていて、宮澤さんと隣で目の前に同じ同期の片山陽加ちゃん、宮澤さんと同期の大島優子さんがいた。


「色々慣れるまで大変だろうけど、頑張ろう」

先輩たちがいろんな話をしてくれた。

「柏木ちゃんってどこ出身?」

「鹿児島です。」

「えっ、九州?東京よく来たね」

「アイドルになりたかったんです。」

「覚悟がすごいや。」


「佐江、柏木ちゃん可愛いしステージ立ったら人気だろうね」

「そうだね」

宮澤さんと大島さんは笑顔。

ご飯を食べたら19時から20時半までの間がお風呂時間。

当たり前だけど、初日から仲間や先輩とお風呂に入るのは恥ずかしい。


「柏木ちゃん、お風呂行こうか」

「はい」


脱水所には、先輩たちもいて裸になるの恥ずかしい。

三期生はみんな恥ずかしくて脱げないまま。

「ほら、裸なんて毎日見てたら慣れるから」

って大島さんがみんなの服を脱がす。


「恥ずかしいです」

「てか、柏木ちゃんって意外と胸あるんだね」

「やめてください」

「ねえ、佐江、柏木ちゃんおっぱいでかいよ」

「優子やめなって。恥ずかしがってるから。」


宮澤さんすでに裸。 

シャワールームで隠れてたら、宮澤さんが背中を洗ってくれた。

「佐江もしばらく恥ずかしくて、体隠してたから。でも、毎日だからほんとに嫌でも慣れなきゃね」

「宮澤さん、ありがとうございます」

「えっ?」

「背中洗ってくれて。」

「うん。佐江のも洗ってくれる?」

「はい。」

「ありがとう」


宮澤さんは、なるだけ私が恥ずかしがってるからって体を見れないように配慮してくれていた。

「滑るから気をつけてね」

手を貸してくれたりする。

「佐江、柏木ちゃんに優しいじゃん」

「いつもでしょうに」


湯船には2期生の先輩たちがいっぱいいた。

「佐江ちゃん優しいから、同室でよかったね。気遣い素晴らしいし、先輩の中で1番優しいと思うから」


そう、宮澤さんと1番仲良しだと言う秋元さんから聞いた。


「佐江」

「優子やめろよ」

水をかけあう2人を見て笑った。

「宮澤さん、めっちゃ優しいらしいね」

と同期片山陽加ちゃんから声をかけられた。

「うん、よかった」


お風呂から出て、宮澤さんは私の背中を拭いてくれた。

「風邪ひいちゃうから。」

「宮澤さんも風邪引いちゃいますよ」

「佐江は大丈夫だよ。」


優しい、宮澤さん。


21時に消灯。

親のいない生活。

当たり前だけど、淋しくないわけがない。

1日緊張していたから。

寝れなくてガサゴソしてしまった。

「柏木ちゃん、寝れない?一緒に寝よう」

宮澤さんがベッドに入ってきて一緒に寝た。

そしたらよく眠れたんだ。