「よし、準備できた。」

さっき、おしっこも済ませておむつも替えたし、着替えてお母さん待ちだね。


入口まで、車いすで由紀ちゃんを連れて行く。

「お母さん」

「あっ、由紀。」


「荷物です。明日の朝までにこちらに戻っていただければ大丈夫なので。」

「わかりました。」

「由紀ちゃん、楽しんできてね」

「はい」



久々の外出。

嬉しそうに出かけていった。

佐江は本日お休みのため、ゆっくり過ごす。


ゆっくり休めた翌日、朝7時。

「由紀のことお願いします。」

帰ってきた由紀ちゃんの姿。

バイバイした由紀ちゃんの姿は寂しさで泣いちゃっていて、

「よしよし。良かったね、お母さんといれて」

「楽しかったし、嬉しかった。

でも、急に淋しくなった。」


佐江にギューしてくる甘える由紀ちゃんが可愛い。

「お母さんと何したの?」

「水族館行って、ご飯食べに行った。あと、少し買い物しました。」


「あっ、これパジャマ?」

「お母さんが身長伸びたね」って新しいパジャマを買ってくれて。


「由紀ちゃん、お風呂は昨日入った?」

「お母さんと入った。」



ギューってしてくる由紀ちゃんを優しく抱きしめて。

小嶋さんもやってきた。

「由紀、おかえり」

「ただいま。」


「泣いた顔だね。楽しかった?」

「うん」


着替えるために服を脱がせる。

だいぶお腹張ってる。

「由紀ちゃん、浣腸しようね」

「えっ。」

「苦しいでしょ?」

「うん」


我慢は体に良くないからね。


薬の効果でいっぱい出てくる。

「うっ」


泣いちゃったんだけど、

「苦しかったね。よく頑張った。」

おしりを拭きながら慰める。


「恥ずかしい。」

ちゃんとケアも忘れずに。

「大丈夫。頑張ったね」


ギューってして、気持ちを落ち着かせる。

しばらくすると、佐江の顔を見てくれた。


「そろそろ、朝ごはんだけど食べようか?」

「うん」


朝ごはんは完食。

おしっこもして、今日の1日が始まる。



お母さんと会ったあとで、メンタル少しまた淋しくて泣いてないかな?って仕事合間に部屋を見に行く。

「何してるの?」

「佐江ちゃん」

「お勉強してた。」

「由紀ちゃん偉いね。」


「お母さんと約束したんだ。

高校は行けるように頑張ろう」って。


普通高校に通えるほどの体力が戻るかはわからなくても、通信制とか色々あるからね。

「いろんな寂しいことはたくさんあるけど、前をむくんだ」って。

偉すぎて泣けてくるよ。


「だからって無理し過ぎはだめだよ」

「はい。」

目標を持って頑張る由紀ちゃんを応援し、そばで支えたいと思った。