カーテンを開けた音で目を覚ます。

まだ6時半。

「ん?宮澤さん?」

「あっ、起こした?おはよう。」

「えっ?帰ってないんですか?」

「由紀ちゃん寝たタイミングで帰ろうとしたんだけど、気になって気づいたら寝てたんだよね。」


佐江ちゃんの仕事携帯に電話が。

「宮澤さん、帰ってないの?」

「由紀ちゃんの部屋にいます。」


「宮澤さん、寝てないでしょ?1回お風呂入って午前中寝てきたら?師長に話すから」

「でも。」

「大丈夫だよ。うまく話すから」

「すいません。」



「陽菜ちゃん、宮澤さんに迷惑かけちゃった。」

「由紀が気にしなくて大丈夫。寝れた?」

「うん、寝れた。」

昨日の由紀の記録もびっしり書いてあったし、よく見てくれている。


「宮澤さんにお世話してもらってて大丈夫?嫌とかなかった?」

「ううん、優しくて安心した。」

「良かった。」


「泣いた私を心配して朝までそばにいてくれたからね」

「ずっとここで寝てたの?」

「うん、気づいたら宮澤さん寝てた。」

「まったく。自分の体調管理もしなきゃだめじゃんね。」


「昨日泣いたあとに、淋しくなっちゃったらすぐに呼んでねって言ってくれて、なんかリラックスできたよ。」

「そっか。それは良かった。」


午後に宮澤さんはやってきた。

「小嶋さん、すいませんでした。」

「由紀のこと気にかけてくれたのはすごく助かるし、ありがたいけど病室で寝ちゃうのはだめね。でも、由紀がすごく安心したって。

午後もよろしくね。」


「はい。」



とりあえず、浣腸しないといけなくて

話にいく。

一応聞いてはくれるんだけど、相変わらず嫌そう。

「ごめんね。早く終わらせようね」


おしりに入れていく。

いつも泣いちゃうんだよね。

「よく頑張ったね」って撫でて。


そのまま、「宮澤さん」って由紀ちゃんに声をかけられて、おしっこの準備。


そして、お昼ご飯食べたらお風呂に入れた。


「お風呂は宮澤さんいれば大丈夫だから、陽菜さんいなくても平気」

って言われた。

「由紀に言われると思ってなかったな。まあや由紀がいいなら宮澤さんよろしくね」

「はい」


服を脱いで専用の椅子へ座り。

宮澤さんが洗ってくれた。


「痒いところあったら言ってね」

「はい。」

順番に体を洗ってくれて。

上半身が洗い終わり、胸の下はすぐ痒くなりやすくて。

「あとはどこが痒いかな?」

順番に洗ってもらい、全部終わると湯船へ。


「お湯加減大丈夫?熱くない?」

「はい、大丈夫です。気持ちいい」


「背中もお湯かけてあげるね」

リラックスできる時間。


少し湯船に浸かってたら気持ちよくて寝そうに。

「由紀ちゃん、眠そうだしそろそろ出ようか?」

「はい。」


体を拭いて着替えて部屋に戻り、寝かせると気持ちよくて眠った。


「由紀、寝ちゃったんだね。

お母さんが14時に来るらしいから、もうちょいしたら起こそうか」

「はい」


お昼ご飯の時間だから、とりあえず起こしてご飯をたべて、しばらくしたらお母さんが来た。


「由紀、ご飯食べた?」

「うん。」

「ちょっとまた痩せた?」

「そんなことないよ」


お母さんと久々の時間。

家から病院まで40分以上はかかる。

入院代だけでお金かかってるんだから、お母さんに迷惑かけられない。


「由紀、また外泊許可もらえたら買い物行こう。また服を買いに行こう」

「行きたい」

「先生と話してくるからね」

お母さんは先生と話にいった。


「由紀ちゃんお母さん来てくれて良かったね。」

「うん。」

嬉しそうな由紀ちゃん。

中学生だもん。親に甘えたい年頃だよね。


少しして、お母さんが帰ってきた。

「あっ、由紀ちゃんの担当してます。宮澤です。」

「由紀がお世話になってます。」

「由紀、もうちょい歩けるようになれば、1日外泊してもいいって。だから、リハビリ頑張って。」


「わかった。頑張る。」


お母さんは帰った。

笑顔でお母さんにバイバイしたけど、いなくなった瞬間泣き出しちゃった。


「由紀ちゃん、淋しいよね。よしよし。

頑張って歩けるようになって、お母さんと買い物行こう」

「うん」


「さっき、お母さんと会ったよ。由紀のこといつもありがとうございますって言われたよ」

って陽菜ちゃん。

「由紀、お母さんにいったから、いろんなできないことはあるけど、学校に行けるように頑張ってるって。お母さんに会いたくて頑張ってます」って。


いつも頑張ってるんだもん。褒めてあげなきゃね。


泣いてスッキリしたあとは、お勉強していた。ほんとに切り替え早くてすごい。尊敬。

「あんま無理しちゃだめだからね」

「はい」


「あっ、そうだ。受付にお母さんから預かってたんだった。パジャマ、お母さんが新しく作ってくれたみたいだよ。夏用のパジャマ。」

「可愛いピンクのパジャマ。手作り。」

「由紀ちゃん、着替えてみようか?」

「はい。」

可愛いし、似合ってる。


私は由紀ちゃんの可愛い笑顔に癒やされていた。