転校してきてはじめての体育。

やっと体操着届いたからね。


みんな女子校だからって普通に着替えるんだけど、私は恥ずかしいからこそこそ着替えてたのに、優子ちゃんが、

「柏木ちゃんおっぱい大きいね」って言われて慌てて隠す。

「優子やめろよ。由紀が嫌がってる」

「褒め言葉じゃん。スタイルいいしさ」


ピンクの薄いブラが見えた。

恥ずかしそうに隠してたから、由紀に

「佐江キャミ持ってるから上に着てきなよ」

って渡す。

「でも、佐江ちゃんのは?」

「佐江汗かくから2枚あるから大丈夫。胸元隠すためにキャミあったほうがいいよ」って。


「ありがとう」

佐江ちゃんのキャミを借りた。

「由紀さスタイルいいし、みんなに見られるからタンクトップとかキャミとかなんか1枚つけたほうがいいよ。

佐江も、由紀の下着姿見られたくないしさ。」


顔が真っ赤になる。

「うん、そうする。ありがとう」


短距離を走る授業なんだけど、まあ由紀胸あるのがわかる。優子が言ってるのもわかるけどさ、見られたくはないよね。


授業が終わったあとも更衣室が別にあって、佐江が案内して、こっちなら誰にも見られないし何も言われないよって。

「体型のこと言われたくないでしょ?佐江も胸がないのコンプレックスで夏とかめっちゃ肌見せなきゃいけないときとか、ここで着替えるんだ。」


「佐江ちゃん、

コンプレックスってあるんだね。」

「あるよ、そりゃあ。女のコっぽくはないしさ。」

「普通に可愛いのに。」

「ありがとう」

着替えて教室に戻る。


「2人でどこいたの?」

「更衣室で着替えてた。優子にセクハラされたくないからね」

「してないじゃん。スタイルいいの褒めただけだよ」


「優ちゃん変態」

って陽菜ちゃんに怒られてた。



1日の授業が終わり、佐江ちゃんが送ってくれた。

意外と家が近くて。


「佐江ちゃんあがる?」

アパートまで来て、佐江ちゃんは帰ろうとしたんだけど、

「お母さん帰り遅いし、私1人だから佐江ちゃんあがらない?」

って聞いたら佐江も帰ったら1人だからってあがった。


「佐江ちゃん、貸してくれたキャミ洗って返すね」

「いいよ。下着姿見られたくなかっただけだし。」

「でも、悪いし。」

由紀の部屋を案内されてクローゼットを由紀が開けた。

たまたま見えた下着類が入ってたタンスに可愛い下着がたくさんあった。


「使ってないキャミあげるね。今日のお礼」

「いいよ、別に佐江が勝手にきてほしかっただけだし。お礼ならキスをしてほしいな」


顔真っ赤になってる佐江ちゃん。

「わかった。」

キスをした。


「ちょっと一瞬部屋着に着替えてもいい?」

「いいよ」

Tシャツとジャージに着替える。


「まだ全部は片付いてないんだ。

お母さんも引っ越してすぐにパートを探したから、片付つける時間なくてさ。」


「そっか、大変だね。由紀が早く東京の生活に慣れるように色々道とかお店とか教えてあげるね」


「うん、ありがとう」


しばらく佐江ちゃんがいてくれたから、今日はさみしくなかった。

一時間くらい佐江ちゃんがいてくれて、そしたらお母さんが帰ってきて。

「学校の友達、宮澤佐江ちゃん」

「由紀と仲良くしてくれてありがとう」


さすがに付きあってるとは言えないから、友達までて。

「佐江ちゃんは、私がいじめられてたことも知ってるし、最初から私に優しくしてくれて。絶対そばにいてくれるんだ。」


「ほんとに仲良くしてくれてありがとう」

「いえ。佐江もいじめられてこの学校に来たので由紀の気持ちがすごくわかるんです。」



「学校でいじめられてから、由紀学校いけなくなって。中2の2学期くらいから不登校だったからどうしようかと思って。思いきって東京に来たの。だから、佐江ちゃんみたいな優しい子に出会えて良かった。」


「佐江ちゃん、ご飯食べてかない?」

「いいの?」

「いいわよ。ぜひ、お家はご飯は?」

「多分帰ってくるのいつも19時20時とかなんで適当に食べたりしてます」

「だったら、うちカレーだし食べてって。

由紀と仲良くしてくれて嬉しいの。」


「ありがとうございます。」


さすがに帰りが20時で1人で帰るのは危ないから、お母さんが車で乗せていった。


帰ってきたお母さんが、

「ほんと佐江ちゃんいい子ね。」って褒めてた。



翌日、学校まで歩いていたら途中で佐江ちゃんに遭遇した。

「由紀、おはよ」

「佐江ちゃんおはよ。」

「昨日、カレー美味しかった。お母さんにお礼してね」

「うん。お母さん、佐江ちゃんいい子ねってまた家に呼んでねって言ってたよ」

「やった。由紀とお母さん似ていて可愛い」


手を繋いで学校に向かう。

学校に入ってすぐ、優子ちゃんと陽菜ちゃんに会う。


「手繋いで来たの?ラブラブ。」

「うん。優子たちも繋いでくればいいのに。」

「人目気にするじゃん」

「そんなん気にしてたらだめだよ」

「そりゃあそうだけどさ」


「昨日、由紀の家でご飯ご馳走になっちゃった」

「良かったじゃん」

先に由紀は教室に行った。


「さすがに付きあってるのはお母さん知らないでしょ?」

「さすがに言えないね」


「そりゃあそうだよね」


今日も学校頑張ろう。