佐江ちゃんと個室に入る。
佐江ちゃんには今のところバレてないけど
頭が痛くて、熱が多分ある。
バレたら、「由紀大丈夫?」って
佐江ちゃんに心配されちゃうから
バレないようにする。
まあでも、シャワー浴びてたら顔が熱くなり
佐江ちゃんがなんか熱くない?って言われた。
「熱いね」
って返したけど、同時に寒気がめっちゃ襲って
きて、佐江ちゃんがなんも言わずにぎゅってしてくれる。
「由紀、熱あるでしょ?顔色さっきから悪いよ」
またバレた。
気づかないように気をつけていたのに。
「早く寝よう」
軽く湯船に浸かり、佐江ちゃんは私を休ませようと体を拭いて、早く部屋に返らせようとしてくれている。
「由紀、今体温何℃?」
測ってみたら38.4℃。
由紀にしては高熱。
「ごめん、佐江ちゃん。迷惑かけたくなかったのに」
「迷惑なんかじゃないよ。由紀、佐江に遠慮して言わないからさ。」
由紀がベッドに入ったタイミングで、佐江ちゃんは冷えピタや飲み物を持ってきてくれていた。
夜中、汗かいて飲みたいって思って部屋の冷蔵庫に飲み物が入っていて、佐江ちゃんがおそらく持ってきてくれたんだなあって涙が出た。
私がガチャガチャしてたからか佐江ちゃんを
起こしちゃって。
「ごめん、起こした?」
「どうした?大丈夫」
「喉乾いたの。目が覚めて」
「熱はどう?」
「まだ熱いんだ」
まだ熱はありそうで辛そう。
早く良くなりますようにと
由紀の寝顔に声をかけた。