撮影場所の個室に呼ばれて結構体を触られる。

「すいません」って謝られた。


佐江ちゃんは着替えて撮影を少し見ていてくれて。

休憩のタイミングで上着を持ってきて

「大丈夫?」って声をかけてくれる。

「何が?」

「色々厳しいって言ってたから、由紀のメンタルが大丈夫かな。

少し水着も面積小さいし」



「あー、うん。でも優しいし大丈夫。

心配してくれてありがとう」


仲良しな雰囲気が伝わっていたのか私と優子先輩のグラビア担当の面接をしていた大家さんって人が声をかけてきた。


「もしかして、柏木さんが付きあってるって言ってたのこの方?」

「あっ、はいそうです。」

「なんか楽しそうだったから。」

「由紀がお世話になります。」

「こちらこそお願いします。」



「由紀の撮影が心配で勝手にマネージャーみたいなことしてます。邪魔はしないので見ていていいですか?」

「もちろんです。お名前聞いてもいいですか?」

「宮澤です。大島優子と同期なんです。」

「そうでしたか。大島さん、今あちらで撮影中なんです。」


由紀が撮影に戻り優子がやってきた。

「お疲れ様。」

「佐江、授業大丈夫なん?」

「グラビアある日は極力来てあげたいからいいの。それに、出ない日の分は課題をやるって話してあるし。」

「そう、ちゃんと卒業してよ。」

「うん。だからまた教えてね」

「こっちに聞くな」


「宮澤さん、柏木さんといるときはカップルで、大島さんといるときは女子会って感じで楽しそう」って大家さんから言われて。


「勉強しなきゃいけないのに、柏木ちゃんにべったなんですよ。」

「余計なこと言わない。」

「柏木さんのことが大事なんですね。一緒に素敵なグラビアにしましょう。」

「お願いします。」


佐江は、しばらく由紀の撮影が長引くと聞いたから授業に行った。

終わる頃には由紀が連絡くれて。

優子がヌードモデルの撮影があるらしく先に行ったようで。


迎えに行く。

「お疲れ様」

「迎えにきてくれてありがとう」

「よく頑張ったね。」


「見て」ってもらったグラビア写真を佐江ちゃんに渡して。

「よく撮れてる。かわいい」


緊張していたのか、外なのに由紀が抱きついてきて。

「由紀、部屋戻ったらにしよう」

「緊張したから、佐江ちゃんがきてくれて嬉しかった。ありがとう」

「よかった。戻ろう?」


部屋に戻る。

由紀の思っていたことを帰ってきてからずっと話していて。

とりあえず体チェックが結構恥ずかしかったらしい。

そこは個室だから、佐江入れないからなあ。

でも、泣かずに偉かったよ。由紀。


体重とかも管理されてるから、ストレスで由紀のメンタルがやられないように、養護室にも連れて行く。佐江には言いづらいこともきっとあるし、大人の人に聞いてもらいたい悩みもあるだろうから。


「佐江ちゃんに対して不満とかなんもないよ」って由紀は言ってくれてたけど、色々小さいことでもあるだろうからね。


その間に佐江は、グラビアに行った時間のレポートをやり。

由紀は戻ってきた。


「お話してきた。」

「うん」

「私が柏木さんの頃は悩みだらけだったわよ」って養護の先生言ってた。

「思春期のこが悩むのは当たり前なんだから。」って。


色々先生と話したらしい。

「少しスッキリしたんじゃない?」

「うん。話せた」

「それはよかった。佐江じゃ聞いても返せないこともあるしさ。」


「ごめんね、佐江ちゃん。気を遣わせて」

「一緒にいるんだから当たり前でしょ。佐江が悩んでたら由紀は助けてくれるのと同じ」 

「うん。」


洗濯物を一緒に片付けて、

明日は1日レッスンだからずっと一緒に

いられるからよかったねって雑談をしていた。

すると、優子先輩が部屋にやってきて。


寂しいらしくやってきた。

「この間イチャイチャしてたじゃん」

「陽菜、毎日ステージたってるから帰ってきても寝ちゃっていて疲れてる。

この間は、陽菜がお風呂入るタイミング狙って襲ったんだよ。」

「そっか。」

「最近、気持ちも聞けてないし、好きとも言われないから不安になってる。」

「大丈夫だよ。今は環境に陽菜がまだ慣れてないからでしょ?大丈夫」

「そうかなあ。てか邪魔してごめん」

「別にいいけどさ。

佐江ちゃんも来年こんな感じになるなら、めっちゃ寂しいな」

って由紀がボゾっと言った。


「佐江は、ちゃんと帰って由紀と今まで通りハグもキスもするからね。」

「ありがとう」