「佐江と別れてくれない?私たちずっと佐江が好きだった。」
こう言ってきたのは、K組増田先輩と佐藤先輩。
何回か佐江ちゃんに告白したけど、佐江ちゃんにスカされてきたらしい。冗談でしょ笑って。
佐江ちゃんが私と付きあってそのうち別れるって我慢していたらしいけど、日に日に我慢の限界がきたようだ。
「佐江と別れて。お願い」
いきなりレッスン場に呼び出し、服を脱がされて体を触られる状況。
こういうのやめてほしい。
「嫌です。佐江ちゃんのこと大好きだから、別れません」
「別れてよ。お願いだから。嫌なことされたくないでしょ?」
体を触られて、すごく嫌で佐江ちゃんに電話をかけた。
「由紀どうした?」
「佐江ちゃん助けて。」
「どこにいる?」
ガチャって電話を切られた。
「そうやって、助けを呼ぶな。
いつも佐江を頼るなよ。
私たち佐江が好きだった。柏木ちゃんが来る前から。なのになんで。」
「柏木ちゃん、柏木ちゃんって新入生が来たら柏木ちゃんずっと見ていて悔しくて。告白しても、何言ってるんだよって突き返されて。もう無理」
そのとき、
「何してんだよ」
佐江ちゃんが助けに来てくれた。
「有華と夏希はなんなん?なんでこうなってるの?」
「いや、その柏木ちゃんと遊ぼうと思って」
「どう見ても二人が由紀虐めてただろ?由紀、何された?言ってみ」
「二人が佐江ちゃんのこと好きだから、私に早く別れろって言ってきた。でも、私何されても別れる気はない。好きだから。」
目にいっぱい涙を堪えてた。
「由紀、ごめんね。服を着て早く部屋に戻ってて」
「わかった」
由紀がいなくなったあと
「二人にちゃんと言わなきゃ分からないみたいだから言うけど仲間としか思ってないから、ごめん。でも、ちゃんと言えてなかった佐江も悪いから好きにしていいよ」って裸になる。
「えっ?」
「今日だけは我慢するから。好きにしていいから。その代わり二度と由紀を虐めたりしないで。次やったら冗談抜きで許さない」
「ごめんなさい。」
今日だけは色々我慢しようと、恥ずかしさを我慢している。
泣きながら、体を触り感じやすい場所まで舐められていて何て言ったらいいかわからない。
二人がこれで満足して諦めてほしい。
それだけを思っていた。
由紀に見られるのも恥ずかしいのに、
他の人に触られる日が来ると思わなかった。
声が出ると、「佐江、気持ちいいんだ」って言われたり。
あんたたちのために、必死で我慢してあげてるんだよ。
佐江がぐったりするまで舐めると、満足したようで。
「佐江、ほんとにごめんなさい。」
疲れて怒る気力もないけど、
「由紀にちゃんと謝れよ」とは話した。
疲れた体のまま部屋に戻る。
「佐江ちゃん大丈夫?」
「由紀、ごめん。二人を説得させるために
脱いだから、体貸した。ごめんね。」
「佐江ちゃんが謝る必要ないよ。
佐江ちゃんも辛かったね。」
「佐江はいいよ。まあ、由紀以外の前で脱ぐのは嫌なんだけどさ。ちゃんと断り入れてなかった佐江も悪いからさ。
二人で攻められるとマジできつかったな。感じたくないのに、感じてるみたいな。恥ずかしかった。」
「佐江ちゃん、助けてくれて守ってくれてありがとう。好き」
「また、由紀に嫌な思いさせてごめんね。」
「怖かったけど、すぐ佐江ちゃんが来てくれたから大丈夫。」
お風呂に入るタイミングで佐江はひたすら体を洗い流した。
由紀以外に触られるの嫌だって思った。
「佐江ちゃんそんな洗わなくても大丈夫だよ」
「由紀以外に触られたくないから、汚れはきれいに落とさなきゃ」
ぎゅって佐江ちゃんに抱きつくと、
佐江ちゃんが笑ってくれた。
「湯船に入ろう」
「うん」
翌朝、佐江ちゃんに起こされて、佐江ちゃんいつも起きるの早くて。
洗濯機いつも回しておいてくれる。
たまには、佐江ちゃんに迷惑かけないようにしなきゃって思うんだけどさ。
「佐江ちゃん、前にも言ったけどいつも洗濯機回してくれたり、時には干してくれたりごめんなさい。」
「だから、佐江がしたくてしてるし、由紀はグラビアやってて疲れてるし。休ませてあげたいから。付きあってるんだし気を遣われたくないの。佐江楽しいから時間まで寝てていいから。」
「佐江ちゃん、ありがとう」
「先輩たちに、由紀すごく気を遣って疲れると思うし、佐江はせめて由紀の安心できる存在でいたい。だから、由紀に気を遣われるの嫌。」
「わかった。でも、干すのはやる。さすがに自分のはやらなきゃ。」
「わかった。意外と佐江変態だから、由紀の下着見てニヤニヤしてるんだ」
「変態」
「自分で言ったじゃん。」
ご飯を食べに食堂に行くと、増田先輩と佐藤先輩から昨日はごめんなさいって謝られて。
佐江ちゃんの手をぎゅって繋いだ。
そしたら、佐江ちゃんが「佐江は別にもういいけど二度と由紀にあんなことしないで。文句あるなら佐江に言ってって。次、由紀に嫌がらせしたら、ただじゃおかないからって」
「由紀、二人行ったから大丈夫」
「うん。ありがとう」
今日から、事件依頼のグラビアを再開することになり、佐江ちゃんが由紀が着替えるまではそばにいるよってついてきてくれて。
「柏木さん。すみませんでした。今後二度と無いようにしますのでお願いします。」
「とりあえずしばらく、私が由紀が着替えを終わるまでは毎回来ますので。」
「わかりました。ありがとうございます。」
更衣室から着替えた由紀は水色の水着でかわいくて。
「由紀、似合ってるよ」って声をかけて佐江は戻る。
「終わったら迎えにくるから連絡して」って。
小声で何かあったら電話してねって言って戻った。
いろんなスタッフさんから、
「宮澤さん、優しいですね」って声をかけられた。
「大切な人でもあり、私のボディーガードです。」
1時間後、由紀からグラビア終わるよ。今着替えるから15分くらいで終わるって。
迎えに行くと、グラビアのスタッフさんと由紀が話していて。
「佐江ちゃん」
「ごめん。遅くなったね」
「ありがとうございました。」
「由紀、なんかされてない?大丈夫?」
「大丈夫。何もされてないよ。」
「よかった。」
「佐江ちゃん、私のこと気にかけて心配してくれる。ありがとう」
「当たり前でしょ。大切なんだから。由紀に手を出してきたりする人は女でも許さない。
由紀だって、佐江が誰か女といたら嫌でしょ?気持ちは同じ」
「うん。」
色々が一応解決した。