一週間くらい前から、ゆいと自動車免許を取りに島根へ来ている。
宿の入り口に置いてある絵本、『ピアノは知っている~月光の夏~』。
最初は何かのパンフレットでも開くようにめくった私。
はっとした。
戦時中の話だ。
それから私は1ページずつゆっくりと、時々繰り返しながら文を追っていき気がつくと涙が止まらなくなっていた。
戦争の続くある日、
特攻隊として明日飛び立つ予定の2人の少年が最期に1度だけ、とピアノを弾きに来るのだ。
時間があまりない。
その時は迫っている‥。
帰り際、少年は訪れた学校にいる学生達に、『君達の暮らす明日を守る為に僕は明日死にに行く。君達は平和な日本で生きてくれ!』そういう気持ちで別れを告げたんじゃないかと思うと死を目前にした人間の精神力やその時代であるがゆえの人々の無念さが、心の中にしこりのように残った。
もしも戦争が無ければ
明日死にに行くこの少年はきっと音楽の先生になれたのに。
『生』が当たり前になっている私の人生と、否応なく『死』へと向かっていく少年達。
『母さん、僕は笑ってゆきます。』
『‥‥ ワレ、トツニュウス。』
このどうすることもできない悲しみが、幸せに包まれて読んだ私の中で大きなギャップを生んで今も複雑な気持ちが渦巻いている。
ある学校で古いピアノが捨てられようとしていた。
そのピアノは知っている。
今は昔、この国の為を想って多くの人が死んでいったことを。
たくさんの夢を捨て、また、夢と共に、自らを国に捧げた若者達を。
そして、今もピアノは生きている。若者達の命を抱いて。
Mランドではいつもベートーベンの曲が流れている。
この本に出てくる月光と何か関係があるのかな‥
今日、教習のみきわめなのに‥こんなことしてていいのか自分!笑っ
