伊勢の下宮の摂社でのこと。
外宮を出て内宮の方へ歩いて行くと、すぐに細い路地を見つけた。
(下宮から内宮まで歩いていた)
寄り道をと思い歩いていたら、大きな白鷺が目の前に下りてきた。
その白鷺は、ほんの二メートル程前をほとほと歩いていく。
思わずついていった。
(あとで思い返してみると、あれほど大きい白鷺はあり得ないかも。大きさだけで言うと、ペリカンくらい!)
神社等に行った時に現れる、妙になついてきて案内するような行動をする動物を「使い」だと思ってる。
そう思う時は直感だが、こういう動物について行くと面白い場所に連れて行ってくれる。
田んぼの中の道を20分ほど一緒にいたら、やがて白鷺が大きな羽を羽ばたかせ、木に留まった。
後を追って行ったら、小さな社があった。
外宮の摂社のよう。
そこでしばらくぼおっとしていたら、周りの空気が変わった。
きらきらとした光る風が辺りを包んだのだ。
気持ちいい・・・。
その時、
<<コトシラネ>>
と、聞えた。
事白根・・・頭の中で、この漢字が浮かんだ。
何となく事代主の神の事だと思った。
お社を出ても、まだ白鷺は木の上に留まっていた。
連れてきてくれてありがとう!
*
家に戻って調べたら、ネ(根)というのは尊称で、神や貴人につけるものということだった。
あの社の祭神は、事代主の神ではないと思うのだが。
後に「根」が神のこととは、繋がっていく。
大根地山は、大いなる神の山のことであった。