「お前は15年か。
ここは地獄だ。
心配するな天国に1番近い所でもある。
お前はここでクリーンキーパーとして働くことになっている。
お前はもう名前で呼ばれることはない。
これからは、
これがお前の識別番号だ。 」
と言って背中に大きなバーコードが書いてある作業服を渡された。
別の看守が続ける。
「ここは普通の刑務所とは違う。
特に規律もなく、自由なことが多い。気楽なもんだ。」
天国に近い
は気楽なことを言ってる訳じゃない。
気休めを言われても山野の手の震えは止まらない。
部屋を見渡すと監視カメラのモニターが壁一面にあるが、看守はそれを見ていない。
その中央のモニターに山野は自分の名前を見つけた。
しかし、看守に服のバーコードを読み取られると、
ピッ
と名前はバーコードに変わった。
そして、
2マス隣のバーコードは
個人名に変わった。
看守
「畑野氏か。
今月の死亡は五人になったな。」
そのマスはすぐに白くなった。