夢の星 1 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「主文、
     被告人を
        懲役15年のクリーンキーパーに処する。」
裁判官がハッキリと言い渡した。



山野
「うそだ、クリーンキーパーなんて
      最悪だ。
         あれは事故だったんだ。」

うなだれるわけでもなく、
怒るわけでもなく、
あまりのショックに顔がひきつり、笑っているようだ。

クリーンキーパー
 噂には聞いていたが、まさか15年も。

いや、あそこで15年も生きていたら奇跡なのだ。


数日して受刑者 山野 衛は、日本本土を後にした。

小さな空港の片隅からグレーのヘリコプターに乗せられる。

空の旅なんて良いもんじゃない。
三途の川をひとっ飛び。

次の着陸は地獄なのだ。

ヘリコプターに乗せられ、すぐに筋肉弛緩剤の投与。

脱力しヨダレを垂らし眼下の大海原が回って見えた。


しばらくして、
コンクリートのヘリポートの上に寝ていた。

頭上のローターはゆっくり回り続けている。
まだ着陸してすぐのようだ。

手錠も腰ヒモも解かれていた。

立ち上がることもできず、グレーの制服の職員、いや看守に抱えられてコンクリートの建物に連れ込まれた。