被告人を
懲役15年のクリーンキーパーに処する。」
裁判官がハッキリと言い渡した。
山野
「うそだ、クリーンキーパーなんて
最悪だ。
あれは事故だったんだ。」
うなだれるわけでもなく、
怒るわけでもなく、
あまりのショックに顔がひきつり、笑っているようだ。
クリーンキーパー
噂には聞いていたが、まさか15年も。
いや、あそこで15年も生きていたら奇跡なのだ。
数日して受刑者 山野 衛は、日本本土を後にした。
小さな空港の片隅からグレーのヘリコプターに乗せられる。
空の旅なんて良いもんじゃない。
三途の川をひとっ飛び。
次の着陸は地獄なのだ。
ヘリコプターに乗せられ、すぐに筋肉弛緩剤の投与。
脱力しヨダレを垂らし眼下の大海原が回って見えた。
しばらくして、
コンクリートのヘリポートの上に寝ていた。
頭上のローターはゆっくり回り続けている。
まだ着陸してすぐのようだ。
手錠も腰ヒモも解かれていた。
立ち上がることもできず、グレーの制服の職員、いや看守に抱えられてコンクリートの建物に連れ込まれた。