V・S(23) | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

父が帰ってきた。

「お父さん、おかえりなさいませ。」
玄関で正座して、指をついておじぎをする。

「た、ただいま。
   おい、なんだぃユウシ。
     気持ちわりぃなぁ。」
父がネクタイを緩める。

「お父様、一生のお願いがあります。」

「あれだろ?
    ゲームの本体だろ?
     もう中学なんだからさ、ゲームばかりやると、」

「お父さんみたいになるよねぇ。」

「そうそう、っておい!
    一生のお願いってなんだ?」
ソファーに座る。

「一生のお願いはやっぱりやめた。
      今年のお願い。」
と言いながらお茶を差し出す。

「お母さん、ユウシがおねだりだ。」
お茶に口を付けるのをためらう父

「これを見て!」
パンフレットを父に渡す。

「なんだ?
      ほらゲームだ。
    飛行機のCGが書いてある。
   VRのゲームって高そうなもの見つけてくるなぁ。」

「あなた、それ、英会話教室なんですって。」
母もソファーに座る。

「え?
     勉強をしたいってこと?
    なんでまた英会話なんだ、そろばんでも習字でも役にたつぞ。
     今時、英語なんて翻訳機の安いのも売ってるし、」

「お父さん、
   もし近所に、アメリカ人のそれはそれは美人な奥様が引っ越してきて、

  日本のゴミ出しルールがワッカリマセーン、教えてクダサーイ。

   なんて言われたらどうするのさ。」




「大丈夫だ、
     その美人奥様は日本語はできてる。」

「???
      ほんとだ。」
ユウシ


「へたくそ。」