V・S(22) | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

帰宅したが、母が出かけていた。

「いないのか。」
いつもならソファーにダイブしてスマホでYouTubeをたしなむところだが、
今日は自分の学習机に向かった。

「英語、英語。これだ!」
英語の教科書は折り目もなくピッチリと閉じていた。

裏表紙に名前を書いた時しか開いてない。

「えーと、
     マイ、ネーム、イズ   ユウシ。
   エム、ワイ、エヌ・・」

ケビン先生の発音を思い出して教科書を書き写す。

「ディス イズ ア、バイシクル。
     ちがうな、
     ディシィザ バイシクル。かな?」
ケビン先生に聞きたい。

英語の教科書に次々と折り目が付いてゆく。

30分ほど経ったところで
「ミス、ローレン、イズ、チョープリティ。
    ミス ローレン アイ ラービュー。   」

「あら、ソファーにいないと思ったら勉強?」
母が後ろにいた。

「ぅわっ!何だよ母ちゃん!」
また顔が真っ赤。

「ミスローレンなんてどこにあるの?」
教科書をなぞる母

「うるせーな、勉強のじゃますんなよっ!」
教科書を閉じる。

「はいはい。
      反抗期きたー。ってね。
そろそろご飯よ。」
母は部屋を出た。

「う~ん。わかったよ。」
アイラービューのタイミングで来るなよ。