V・S(20) | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

≪クゥーーー≫
診察台、つまり歯医者の椅子がどんどん上に上がる。

この上は天井でそこに頭が着くのではないか?

いや、真上の部分だけ長方形にスライドして穴が開いた。

その上は真っ暗。
天井の穴を抜けて二階部分に来たのだ。

それでもまだ椅子は上がる。

≪クフゥン≫
椅子が止まる。

そして周りには圧迫を感じる。

≪コ、コ、コ、コ、コ・・≫
僕の周りにカラフルな小さなランプが点きはじめる。

≪グーン、クッ≫
右手の前にゲームのジョイスティックが下から出てきた。

左手にも。

それを握る。

≪バァー・・バァー・・バァー≫
警告のようなブザーが鳴り出すと、正面の壁に光の線が縦に入る。

それは観音開きで外側に開いた。

外の明かりの縦の線の幅が広がると、
僕の周りが徐々に明るくなり

驚いた。

ここは飛行機の操縦席。

飛行機の床下から椅子ごとセットされたようだ。

上は分厚いガラスのキャノピー
  後ろに無理やり顔を向けると主翼が広がっていた。

これで、

怪鳥を倒すのだ。

先客のおじさんが言ってた冒険て、
これのことだったのか。


ファーイブ

フォー

イグニッション

トゥリー

トゥー

ゥワン

「行くぞ!!」










ありがとうございました。

本日はここまで。です。

突然 
店員の声。

体験入学はここで終わってしまった。


しばらくぼうっとしたが、
≪スチャ≫
っと店員にヘルメットをはずされた。


頭皮に涼しい風が当たる。
それだけ僕の頭はホカホカだった。

手元にジョイスティックは、ある。
それ以外は全て入って来たときのままだった。

歯の断面の表も
歯の模型もある。

この椅子もキズひとつない。

壁の大きな穴もふさがっている。

ガラスの棚も立っているし。

そして、先生も消えていた。