すぐとなりにいるのだ。
目玉だけ動かしてチラチラと見たいが、
VRグラスの視野は狭く、結局、顔を右に向けないと見えない。
あまり気にしてませんよ
僕は今、ケベン先生の授業に集中してますからね。
と、彼女を見るのを隠しているが、
四度目に顔を向けたときに、あることに気付いた。
それで、僕はもっと真っ赤になってしまった。
僕は今、歯医者の治癒の椅子の上で
VRグラス付きのヘルメットをかぶっている。
その横には、当然彼女はいない。
いるのは店員の人。
彼は学習内容を知っていて、
当然、彼女がそこに現れるのも知ってる。
僕が真っ赤な顔を店員に頭を向ける度に、
何回見てるんだよ、この子
って思われてるはずだ。
四度目に見た彼女の横顔を忘れないようにして、正面だけを向く。
もっと見たいけど。