V・S(13) | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

どうしておじさんの声しか聞こえないのだろうか?

それも大声で。

先生の声が聞こえないのは、
テレビとかの画面を見ながらイヤホンで聞いているのかな?




ずいぶん必死な声でソーリーって言ってた。

間違えると怒られるのか?
  いや、叩かれるのかもしれない。

すぐに水筒をバッグに突っ込んで、ソファーを立つ。

早くここを出よう。





ギィ。

後ろで昔の治療室のドアが開いた。

ビクッ!

「さあ、僕の番だよ。」
店員の太い声。

「あ、あのー、僕、やっぱり。」
振り向けない。

「大丈夫。
      たのしいよぉ。」
店員がゆっくり言う。

何で楽しそうに言わないの?


「ブハァ。
   いやぁ、怖くて楽しかった!」
おじさんがハンカチで頭を拭きながら廊下に出てきた。

  「怖くて楽しい?」
思わず後ろに振り返ってしまった。

「僕もやってみな。
     大冒険だよ。」
おじさんはヘルメットの内側をハンカチで吹いていた。

「え、でも怖いんでしょ?」

ヘルメットが必要な英会話教室ってなんだよー!
絶対に間違えたら叩かれるやつだ!

お客さん、アウトー
とか言ってタイキックとかされるんだ。



「いやあ、とりつかれますねー。」
ヘルメットにファブリーズしているおじさんはニコニコだ。

え、
ホラーなの?