二階は吹き抜けになっていて、工場を見下ろすことになる。
「人があまりいない。」
マサキの想像していた工場とは違った。
端から端までのベルトコンベア
その両脇にアームロボット。
コンベアに流れる掃除機の基盤をつついては、向きを変えて部品を掴んでいる。
同じタイミングで基盤が来ると部品を取り付けていた。
途中に検査員がいるが、モニターを見て数値を確認しているだけだ。
あちこちに赤色灯や黄色のランプが光り、
ブザーやチャイムも鳴っている。
あのエンジニアがプログラムした設計が
形になっていく。
1階は危険なので、ここで眺めることしかできないが、規則的に動くアームロボットが楽しくてずっと見ていられる。
最初はグレーのプラスチックの丸いお皿に、ロボットが次々と部品を詰めていく。
最後に鉄板でフタをして、ネジ止めされると
ひっくり返して、お掃除ロボットが完成した。
二階の廊下には、各工程の説明パネルがあり、
ブラシ取り付け
モーター取り付け
センサー取り付け
などがイラストで書いてあった。
「ロボットがお掃除ロボットを作るんですね。」
マサキ
「そうだね。
プログラムを変えると芝刈り機を作ったりもするんだ。
社員のお給料があまりかからないから、お店で安く掃除機を売れるんだ。」
社長
「お母さんが働き始めるけど、みんなロボットに代わるとお仕事なくなっちゃうね。」
マサキ
「いや、ロボットは1つのことをずっとするのが得意なだけだよ。
お母さんは洗濯も料理も買い物もできるでしょ。」
社長
「そうか、お母さんてすごいんだね。」
マサキ