母は素早く話題を変えた。
「サンタさんなんかいないって、ユウタが言ってたよ。
でももらえなくなるから信じてるフリしてるって。」
子供
「サンタさんはいるのよ。
今までいろいろ貰ったじゃないの。」
母は小学生に気を使わせるサンタに戸惑うが、これは聞き出さないことには購入するプレゼントが無駄になってしまうのだ。
「サンタさんて勝手に家に入るの?
煙突とかないのによく家に入れたよね。
それにさ、プレゼント買うお金は?
お返ししなくていいの?」
子供
「煙突から入るサンタさんなんて、いつの時代の話?
今は子供がいる家がたくさんあるのよ。
クラスの担任だって1日で回りきれないでしょ。
それが世界中よ。」
母
「無理だね。
サンタさんていっぱいいるのかな。」
息子
「サンタさんは1人。
でもお手伝いサンタさんがたくさんいるのよ。」
母
「お手伝いサンタさん?
聞いたことないよ。」
子供
「当たり前じゃない。
こんばんはー、お手伝いサンタでーす。
って言わないもの。
お手伝いサンタさんはね、配達のお手伝いをして、お小遣いを貰うの。
そのお金で来年にプレゼントを買って、また子供達に配るのよ。」
母
「えー。
お手伝いサンタさんて損だね。」
子供
「なーに言ってるの。
大金持ちが贅沢するより、パパがパチンコするより、よっぽど得じゃない。
お手伝いサンタさんだって、子供の頃にプレゼントを貰ったのよ。」
母
「ということは、僕も将来は、」
子供
「そうよ。
子供にプレゼントを渡したくなるはずよ。」
母