UFO工場 2 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

母親も、機能と価格の折り合いをつけ、そろそろ購入を決めようとしていた。

「待て待てぇ。」
鬼掃除機を目で追う息子。

「あら、なにしてるの。
     おもちゃじゃないんだから、触っちゃだめでしょ!」

パンフレットから目線を下ろすと、掃除機牧場の柵に掴まる息子。
そしてひっくり返った掃除機たち。

「何やってんの、まったく!
      直しなさい!」
母親はパンフレットを丸めて、木魚のようにポカポカ叩く。

《ポコ ポコ ポコ》
「や、だ、よー。」

「お決まりでしょうか?」
店員が近づくと、母親は向きを変えて、牧場から目を反らさせた。
それでも、後ろで息子を叩く。

「よーし、生き残ったコイツと、鬼で勝負。
    死んだヤツに触ったら負け。GO!」

「うん?僕、鬼ごっこかい?」
店員

「そう、勝った掃除機買うから。」
息子

「そうなんだ。」
店員

「あんた何を言ってんのよ。」
母親