辺りは真っ暗になり、非常用電源車が発電機を唸らせる。
投光器の灯りで市長が閉会の挨拶をした。
そして、アイアンラボは
アイドルのように、ボランティアの全員と握手会をして、お土産に今日の日付け入りの記念切符を配った。
6時に解散となった。
さて、掃除の成果だが、
ロータリーの銅像は新品のように輝いている。
ポストも駅名看板も拭いてあった。
駅舎のツギアテ波板はそのままだが、煙突の巣は無くなった。
待合室のポスターは剥がされ、クリスマスパーティーのポスターに変えた。
信号所もホームも見違える。
線路の草刈りも終わった。
ティーリフォームの見積もり前に生まれ変わってしまった。
駅内は、壁掛け扇風機が首を持ち上げている。
電気の笠や、キャビネット、床の拭き掃除をした。
タケモト氏は切符を売るテーブルの周りの寸法を測ると、アクリルケースの業者へ電話した。
元 駅員の岡田氏は、ホコリまみれの駅が甦るのを見て、自分もあの時代へ戻れる錯覚におちいるようだ。
最高齢の岡田氏が、若者の中で生き生きと動いていた。