鉄の園 17 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

午後5時

辺りは真っ暗になり、非常用電源車が発電機を唸らせる。

投光器の灯りで市長が閉会の挨拶をした。


そして、アイアンラボは
アイドルのように、ボランティアの全員と握手会をして、お土産に今日の日付け入りの記念切符を配った。

6時に解散となった。

さて、掃除の成果だが、

ロータリーの銅像は新品のように輝いている。
ポストも駅名看板も拭いてあった。

駅舎のツギアテ波板はそのままだが、煙突の巣は無くなった。

待合室のポスターは剥がされ、クリスマスパーティーのポスターに変えた。

信号所もホームも見違える。
線路の草刈りも終わった。

ティーリフォームの見積もり前に生まれ変わってしまった。

駅内は、壁掛け扇風機が首を持ち上げている。
電気の笠や、キャビネット、床の拭き掃除をした。

タケモト氏は切符を売るテーブルの周りの寸法を測ると、アクリルケースの業者へ電話した。

元 駅員の岡田氏は、ホコリまみれの駅が甦るのを見て、自分もあの時代へ戻れる錯覚におちいるようだ。

最高齢の岡田氏が、若者の中で生き生きと動いていた。