鉄の園 3 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

秋も終わり、木枯らしにも身体が馴染む季節。

傾いた日は夕焼けとなり、待合室の波ガラスから差してくる。

ポスターの錆びた画ビョウは、鈍くベッコウのように反射した。

あの蜘蛛の巣さえ、絹糸のように輝く。

待合室の吹きだまりの落ち葉がくるっと2回転した。

駅事務所は廃業から時間が止まったままだ。

日誌や切符、各種スタンプ。
駅名のスタンプは定期券に使われたのだろう。

歴史的価値はあるだろう。
マニアにはたまらないアイテムである。

駅舎から出てホームを歩く。
単線の線路で、ホームの端には鉄の棒のモニュメントらしきものが見える。

近づくと、これはタブレットという電車の通行手形を受けとるものだった。

ホームの端の階段を降りて、その先の信号所に入る。
こちらは、戸の下に穴が開いて、中にはタヌキと思われる動物の骨があった。

ポイントを切り換えるレバーがある。
ストッパーをにぎりながら引くと、ポイントが変わるのだが、もう動かすことも出来ないくらいサビていた。