オシャレじゃないか、おくれよぅ。」
おばあちゃんが無邪気に窓を叩いている。
(あーあ、棒振り回して
まるでヨーダだな。
しかし、あの腕輪(パワーワッパ)は
あげられない。
おばあちゃんに悪は倒せないからな。)
「おくれよぅ。おくれよぅ。」
「あ、これ。
良いものが届いたようですよ。」
おばあちゃん宛の荷物を差し出した。
「はよ出さんかい。」
棒を放り投げて荷物をバリバリと開けた。
「あらあら」
社長は、おばあちゃんの周りのゴミを拾ってやる。
「まんじゅう。」
おばあちゃんは1つくわえて笑った。
「良かったですね。それじゃ。」
逃げるように運転席に乗る。
タブレットは9分遅延の表示だ。
今の伝票を右にスワイプする。
配達完了の操作だ。
再配達は左に飛ばす。
次の配達先に着いた。
大きな段ボール箱だ。
しかしそれほど重くはない。
「またこの箱だ。
最近多いな。この羽毛布団。」
≪ピーンポーン≫
「こんにちは、レッドベレー運送です。」