余命 24時間 36 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

≪ピィーーーー。≫

「何の音?」
あのサラリーマンが立ち上がってキョロキョロしている。

「今の何の音?」
まだ言ってる。

それに気付き、犯人が車内に戻った。

「おい、座れ。」

「変な電子音がしたもので。」
サラリーマンが座る。

「あれはゲートのセンサーに反応するパトランプの警告音だ。」
犯人が説明した。



(あのバカ。
   犯人にチクってどうすんだ。)
荒俣の電源ボタンを押そうとした人差し指が怒りでプルプルしている。

もう押すことはできない。
タブレットをしまう。

メール作戦は失敗する。


整備工場の中にバスを隠しゲートを閉める。

誰かが休日出勤でもしなければ発見されない。


9時を過ぎ、昼を過ぎ、3時になる。


コミュニティーバスは町から姿を消した。

バス会社からの無線は切られている。

警察にはバスの捜索願いが出ているだろうか?

警察は連続強盗事件の逃走犯人を捜している。
バスなんて目立つものは後回しだ。

荒俣の水没ケータイにも、会社が電話を何回もかけているはずだ。


行方不明になった女子高生の学校や親も心配しているだろう。



このままここで時間を潰して夜中に逃げるつもりだろう。


腹が減った。

サラリーマンは弁当持参で、1人でパクパクとサンドイッチを食っていた。

おばさんは飴玉を回して食べていた。

女子高生も弁当があるが食べられる気分では無い。

サラリーマンはもう昼寝タイムだ。

ゆとり世代とは聞いたことあるが、ヤツはのんき世代か。
自分以外のことには 
我、関せず なのだ。

そしておばさんはもっとたくましい。

「玉子 売れ切れちゃうわよねー。」
「ライフ(シティ)は高くて、バス代かけてもマルヨシのほうが得なのよ。」
「あーら奥さんも、マルヨシ、ハッハッハッ」


犯人もあきれてる。