余命 24時間 35 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

荒俣はいろいろプランを練っていた。

後の非常口から外に出るか。

犯人に体当たりして外に出るか。

今ごろ存在をばらして、トイレに行くふりして逃げるか。

そこで女子高生の一人が泣きはじめた。


(そうだ、人の為に生きる。
  これはあの仏様の試練だ。
  自分だけ助かろうなんて、情けない。)
荒俣は握りこぶしを作る。

バスが動いた。

犯人の男は顔ばかりか頭も良い。

自分のスマホで近くの修理工場を見つけた。
トラックやバスが専門の所で、今日は休みだ。

運転手にそこに行くように伝える。

運転手もそこを知っていた。
このバスの車検も頼んでいる工場だ。


大通りを離れて市街地を走る。

回送バスは誰も気に止めない。

ついに無人の修理工場に着いてしまった。

門には鎖と南京錠があり、入ることはできない。

おばさんを一人連れて南京錠の前に行く犯人。

2本の針金でクリクリやると南京錠が解けた。

鎖をほどいて門を開き、バスを中へ誘導する。


(今のうちにタブレット端末を起動するぞ。)
荒俣は電源ボタンに手をかけた。

≪ピィー≫