こんな鏡が?」
「坊主丸儲けだな。」
「何か?」
「いえ。
二千円札しかないので、お釣り下さい。」
「面倒な人だね。待ってて下さいよ。」
5分経過
「遅い。二千円取られたか。」
住職が千円札を持って帰ってきた。
「はい、千円。
なんだか嫌な気分にさせるね。」
「なんだか得した気分になる。」
ニコニコ千円をしまう荒俣。
「ところであんた、何を騒いでいたのかね?」
「私とそっくりなイケメンが刃物を持って脅してきたんだ。
私の酔拳でも倒せない強靭なヤツだったよ、仕方なくこの棒っきれでヤツの喉元に 突き をくれたところ、ヤツが避けたもので、鏡に。」
「その男というのはあんたが棒を拾いに行くときに歩いて帰ったよ。
いま、防犯カメラの映像を見てきた。」
「‥‥。
酔拳はウソです。」