余命 24時間 12 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

一階の銀行ATMコーナーに行く。
所持金が少なすぎる。

数名並んでいたが、ようやく自分の番になった。

ここで財布を出し、

キャッシュカードが無いことに気付いた。

(そうだ、この前、
   新しい財布を買って、カード類を移したんだ。
  ついクセでいつもの財布を持って出掛けてしまった。)

カード類の一切無い財布。
今思うとふにゃふにゃで軽い。

やることもなくそこを空け渡した。

所持金が本当に帰る為のバス代ギリギリしかない。
あの時パンを2つ買っていたら、ここから数キロも歩くことになっていた。

ついているのか、いないのか。

昼時のフードコートの匂いの中を、腹をさすりながら出口に向かう。

「……帰ろ。」

風除室の自動ドアから、モアッとする外に出た。

そこにはバス停があって、駅と往復しているコミュニティバスがあった。

停留所の表にさっきのお寺付近のバス停がある。

違う会社なので同じバス停ではないが、ここから150円の区間だ。


あと150円

あと百円と五十円玉が余計にあれば、
歩かなくて済むのに。

歩きで2キロ戻る。