余命 24時間 11 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

酒も抜けてスッキリ、散歩には良い距離だ。

土地の安いド田舎の畑の真ん中にそびえ立っている大型ショッピングセンター。

車で来る買い物客の為に広い駐車場を備えている。

その周辺にはおこぼれを狙うコバンザメのような商店やチェーン店が囲んでいた。

砂漠の真ん中のラスベガスのようだ。

やっとゲートを通り、バカ広い駐車場を横断して店内に入れた。

エアコンが効いている。

テレビ売り場は三階の隅だ。

まだ歩くのだ。
テレビまでの道のりは長い。

スマホならどこでもテレビが見れるのに。
荒俣はガラケー派。

安売りでもないのにテレビのコーナーは人だかりができている。

ディスプレイのテレビの半分が同じニュースを映していた。

それを腕組みしながら見ている人たち。

途中から見出した荒俣も事件の概要は解った。


近所で強盗があって、その犯人が逃走中である。
刃物を所持しているという。

その風体は、

グレーのスーツに
ビジネスバッグ
髪は白髪混じりで短髪
少し大柄で右足を引きずる歩き方をするそうだ。

「強盗か。」

点灯していない真っ黒の画面に写る自分。
ビジネスバッグ、白髪混じりで大柄がここにいるではないか。

そして周囲の視線が自分に集まっているのに気付いた。

「……。」
足は引きずってませんよ。

と早足でこの場を去ったが、緊張して腕が揃ってしまい余計に怪しくなった。