この大事故を受けて、まず駆けつけたのがハイウェイパトロールだ。
高速道路に設置されたカメラで係員が様子を見ていたか、非常電話で誰かが通報したのか。
トレーラーとRXの事故
それに飛ばし過ぎたSUVの単独事故。
黄色い車から降りてきた二人の係員は、けが人の確認と、テキパキとコーンを並べ、車から外れた部品などを回収する係に別れる。
RXの機銃の薬莢はボンネット内の袋に取り込まれ外に出ることはない。
しかし、SUVの機銃から撃ち込まれたトレーラーのコンテナの無数の穴は隠すことができない。
ただの事故では済まなそうだ。
《ベーーン、ベェン》
乾いたエンジン音が近づいてきた。
渋滞の車列をすり抜けて出てきたのは、1台のモトクロスバイク。
このトレーラーの道封じを見てがっかりすると思いきや、さらに吹かしてハイウェイパトロールを蹴散らした。
係員
「危ない!何をするんだ。」
ライダーは無言で逆さまになっているSUVにバイクを寄せる。
開いたままのリアハッチに何かを投げ入れた。
隼人
「こいつ、日下部の手下だ!」
気付いたときにはSUVから火があがっていた。
証拠隠滅。
日下部の狙いだ。
続いてもう1台バイクが現れた。
隼人に突進してくる。
隼人は、警察署の前でも同じことをされたのを思いだす。