スーツ90 終 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

クローン兵士は輸送機で南国へ旅立っていた。
デリバリートラックと崖下のワゴン車も片付けてくれた。


あれから数日経ち

ナインは市内の野球場の観客席にいた。

ワイルドボウズの試合観戦に来ている。


少年たちはWマークの赤い帽子に白いユニフォームで守備をしている。

胸にはイノシシの赤いイラストが刺繍されていた。

その対戦相手は地元の強豪チームで
小学生とは思えない体つきだ。
実際にプロテインを飲んだり、専用ジムまで持っているらしい。

ワイルドボウズも苦戦中だ。

ナインも応援しているが
アウェイ感がすごい。

「ぅおっ!」「うわっ!」「キャー」
ナインの後ろから悲鳴が聞こえ、振り返った。

観客席をノシノシと降りてくる巨大イノシシ

「え、ダンガンか?」

その首輪からリードを持つ男のシルエットがある。
確かに右手でリードを握っていた。

「合言葉を言え。」
また刺客かも知れない。
ナインは警戒した。


「ま、た、せ、た、な。」
5文字で返す男

「生きていたか。セブン」
ナイン

「あぁ。」
セブンはナインを素通りして観客席の最前列にダンガンと進んだ。


「お前たち!
下を向いて球が取れるか!

戦えないイノシシは、ただのブタだ!」
セブンは叫ぶ。

「コーチ!」「コーチぃ!」
少年たちは驚いた。

守備を終え、セブンは皆を集めた。

「あいつら強すぎだ」
「全然勝てないよ。」
口々に言う少年

セブン「円陣を組もう。
   最後まであきらめてはダメだ。」

「でも。」ボウズ

セブン「大丈夫だ、守護神ダンガンも居る。
   とにかく円陣だ。」

少年たちは円陣を組む。
「レッツゴーレッツゴーワイルドボウズ」
『レッツゴーレッツゴーワイルドボウズ!』

「勝てないイノシシ」
『ただのブタ!』

「弾丸スピード」
『お見舞いするぞ。』

「ワイルドなボウズっ」
『シャッ、シャッ、シャーッ』
右足で地面を蹴る円陣

≪ブォーッ≫
ダンガンも雄叫びをあげた。

『コーチ、ありがとーございますっ。』
少年たちは打席へ


≪バチーン≫
ホームランにセブンは両手で拍手を送った。


スーツ終わり