セブンは下のクローン兵士が一斉にこちらを見たのに気付いた。
操縦席の側面のハッチ(ドア)
から縄ばしごを投げる。
輸送機をイノシンの檻の方へゆっくり進め、ナインを釣り上げるようだ。
輸送機から垂れ下がる縄ばしごが地面スレスレに進む。
ナインはそれをキャッチし昇る。
しかし、クローン兵士もこれに飛び付いた。
ナインは急いでかけ昇る。
クローン兵士は10人ほど昇ってきた。
「降りろ。コノ。コノ。」
先頭のクローン兵士の頭や手を踏みつけるナイン
下のクローン兵士が縄ばしごに群がり、ナインを引き戻そうとしている。
このままでは縄ばしごが切れる。
まるで蜘蛛の糸のカンダタだ。
「昇れっ、早く。」
セブンは開いたままのハッチに叫ぶ。
ナインは急いで縄ばしごを昇りきり、ハッチを閉める。
「ハァハァハァ。あの塔に。」
ナインが工場の塔を指す。
「わかった。」
操縦かんを操り輸送機の刺さったままの塔に縄ばしごを寄せる。
クローン兵士は塔に叩きつけられ落ちていく。
「ハッハッハッ」
ナインはハッチを開けてクローン兵士を見下ろす。
セブンは少しけげんな顔をした。