真っ暗な防空壕の中、
男の荒い息と、苦しむ女性の声。
女性は少ない。
「フエさんっ!何があったのっ‼」
ヨーコさんの声だ、フエさんの返事がない。
大変だ!
暗闇に馴染んだ目に強烈な光が入ってきた。
緑の光
その上に
フエさんの顔
「首輪!」
フエさんの首にはまった首輪の光だ。
のどの辺りから出た光がフエさんの正面を照らす。
「フゥェイ!あぁああ!」
父親が飛びついた。
無表情で呆然とする、フエさん
父親は首輪を外そうとして接合部を手探りで調べる。
「フエさん!」
ヨーコ
「誰だ!誰がやった‼」
大声の高井
ヨーコも首輪を持つ
「#%&££!」父は中国語で怒鳴る。
「ありがとう、ヨーコさん。
父が
無理矢理外すと爆発する、
と言ってる。
」
フエが、訳す。
「ごめんなさい!」
ヨーコは手を背中に引っ込めた。
「ダイジョブね、父、外せるから。」
フエ
「あぁ、フゥェイ…あぁ」
父は外せない。
外しかたを知らされていない。