80 フランス便り | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

防空壕の中の全員が絶望した。
黙ったままだったり、泣き出したりしていた。

父は部屋の隅で背を向けて座った。
フエさんはそばに寄り添い、ヨーコさんはフエさんの手を取ることしかできない。


そのまま時間が過ぎた。

「リーダー、フランスからロケット便が。」パソコンの前の学生

社のアンテナは、この為の物だ。
ロケット便の電波を拾ったという。

「え、こんな早くに?
緊急事態だからな。」高井

普段は深夜に飛ばし、人に見られないようにしていた。

まだ日は落ちない。

学生の一人がロケットを拾いに行った。

素晴らしい。
アメリカのGPSを使わずに、独自の自動運航システムでフランスから日本のここまで飛ばしてきた。

ロケットを持ち帰り、真ん中から二つに分けてメモリーカードを抜いた。
パソコンに差して、パスキーを差す。

画面には、日本のどこかの映像がズラリと並んだ。

フランス語に翻訳ツールをかける。

フランスで集めた日本の情報がぎっしり書かれていた。