俺もうつむきながら歩く。
たまに兵士同士で会話しているのが聞こえる。
彼らは中国語だと思う。
あっちは韓国語かな。
しかし、みんな似たような顔だ。
世界には自分のそっくりさんが三人いる。
らしいが、こりゃ三人どころじゃないな。
このラーメン屋は混んでる。
紛れ込んでみよう。
腹が減ってはスパイはできぬ。と言うし。
やはりテントの前に行列はできない。
お国柄だ。
順番待ちなんかしたら怪しまれる。
人と人の肩の間に腕を伸ばす。
料理人から小さなお椀をもらった。
まるで猿のように、お椀を持って隅に逃げる。
これはフォーだ。うまい!!
フエさんたちにも持って帰りたい。
しかし、敵と同じ釜の飯を食ったのは
すごい罪悪感だ。