あんまり他人に関心がないのか。
しかし、雨に打たれた小麦粉マンは悲惨だ、
いまやグルテンマンだ。
一般人は首輪をして捕虜になったが、今、グルテンマンに見つかったら…
俺は殺されるだろう。
なぜか、このご一行を抜けるほうが不自然に思えて、市営グラウンド入り口まで来てしまった。
見慣れた駐車場に戦車の列。
観光バスからは兵士が降りてくる。
黒塗りの捕虜のバスは…ない。
別の場所に集められたか。
グラウンドに入る。
サッカー場になっていて、階段状の観客席が囲んでいる。
鮮やかな芝生の上に緑や青のテントが並ぶ。
飛ばされないためだが直接芝生に杭を打ち込まれている。
テントから湯気があがっている。
炊き出しだ。
観客席は兵士が埋めつくしている。
この賑わい、まるでB級グルメ大会のようだ。
ビルの登り降りで死ぬほど腹が減っている。
しかし飯を食いに来たんじゃない。
でも、ここで餓死もおかしいな。
匂いが
うまそうな匂いが。
防毒マスク持ってきたかった。