心身共に疲労困憊。
少し横になる。
彼女らは奥へ、俺は階段のそばに寝た。
店に侵入者があれば立ち向かう覚悟だ。
やはり物音がすると目が開いてしまう。
それも長く続かなかった。
もう、風鈴はヒモが切れそうなほど激しく揺れ、窓には雨が叩きつける。
こうなれば物音は気にならない。
小型偵察機だって飛べないのだ。
この台風に守られ、朝の5時まで寝られた。
朝、
相変わらず雨だ。
外を見ても人ひとり居ない。
みんなさらわれてしまった。
一体どこへ。
戦争なのに死体が転がっているわけでもない。
鬼ごっこのような戦争だ。
しかし、この部屋の三人の敵、つまり鬼は
日本以外のアジア人全てだ。
俺たちは武器ひとつ持っていない。
彼女たちが寝ている間に
缶けりの缶を蹴っ飛ばしに行こう。