ピシン…グァアアン
相変わらず雷鳴が引き戸をビリビリ揺する。
ガラスの外は青白い閃光が数秒に一度だったが、紙ボトルの隅のコーヒーをスゥスゥ吸うのに顔を上げて気づいた。
窓の光に赤い点滅が混じっている。
事故現場にパトカーも到着したようだ。
食堂のトタン屋根を叩く雨音が柔らかくなったようだ。
天丼の彼が戸を開ける。
「あ、バリ晴れやん」
遠くの雲の切れ間に太陽を見つけた。
バリ晴れか。
紙ボトルをゴミ箱に捨てて、入り口へ。
しかし、それを聞いた食堂の半数が一斉に出た。
キャンプ用品や寝袋を入れているキャリーバッグがいっしょで込み合う。
列に続き、前のバッグを眺めた。
ほぅ、ソーラーパネルが付いてる。
このキャップの中はコネクターか、スマホの充電ができるんだな。
相次ぐ停電で公共交通手段もストップして、帰宅困難になると大変だからな。
しかし、
パンパンだな。