11 キャリー パンパン | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

ピシン…グァアアン

相変わらず雷鳴が引き戸をビリビリ揺する。

ガラスの外は青白い閃光が数秒に一度だったが、紙ボトルの隅のコーヒーをスゥスゥ吸うのに顔を上げて気づいた。

窓の光に赤い点滅が混じっている。

事故現場にパトカーも到着したようだ。

食堂のトタン屋根を叩く雨音が柔らかくなったようだ。

天丼の彼が戸を開ける。
「あ、バリ晴れやん」

遠くの雲の切れ間に太陽を見つけた。

バリ晴れか。
紙ボトルをゴミ箱に捨てて、入り口へ。

しかし、それを聞いた食堂の半数が一斉に出た。

キャンプ用品や寝袋を入れているキャリーバッグがいっしょで込み合う。

列に続き、前のバッグを眺めた。

ほぅ、ソーラーパネルが付いてる。
このキャップの中はコネクターか、スマホの充電ができるんだな。

相次ぐ停電で公共交通手段もストップして、帰宅困難になると大変だからな。

しかし、

パンパンだな。