『いらしゃいまーせぇ』
調子外れなバイトの声が入り口で聞こえた。
中国人の女の子だ。
この町に限らず中国人は増えたそうだが見分けもつかない。
『二名さん、カウンタどーぞぉ』
二名さんがカウンターにキャリーバッグを寄せて座った瞬間だった。
カッと店内が光った。
ビクッとした。
直後
パァン!!
近くに雷が落ちたか!
『ギャゥッ』バイト
『おぅ~う』サラリーマン
パツン
停電
『お客さんごめんねー』
おばさんが二名さんに謝る。
『いえ、仕方ないッス』
カウンターを立った。
レンジが使えないってことさ。
さてサラリーマンは007のようにキャリーバッグを開けた。
素早くキャンプのカンテラを引っ張り出し、テーブルにセット。
慣れてる。
サラリーマンの数だけカンテラが出そろった。
なんだこの空間。
ちょっとオサレ。