「やだわ。あんた泣いてるの?」
おばさん
「キミは…よく出来ている。
どこ製だい?」
直志さんはコフィの腕をさする。
「直志、迷惑だよ。」
おばさん
「もしかして分かりました。」
バレてる。
「ええ分かります。
抱えられたときに背中に伝わったサーボの振動。
直立でふらつかずに歩行。
あの暗闇での救出作業。
キミは完璧なアンドロイドだ。」
直志さんはあの時に気付いていた。
「またロボットの話かい?
失礼にもほどがあるよ。
直志、謝りなさい。」
おばさんが怒ってる。
「ちょっと二人にしてやって下さい。
ほら、直志さん。
元気になってますよね。」
おばさんを廊下に連れ出す。
おばさんと待合室に座った。
「あの子ね。
よくいう、オタクなんです。
ロボットを作る
なんて言い出して大学を出たのはいいが、人間関係が下手でね。
会社勤めは長続きせずに引きこもりがちで。
あの日も一日中パソコンと向かい合ってました。
詳しくは分かりませんが、ネットで知り合った友達とロボットの共同開発をしていたらしく、その技術を独り占めされた
と。
人間不信から自暴自棄になってました。
家の中で大暴れしまして、父親が一喝したところ、飛び出してしまって。」
おばさんの腕にあざを見つけた。
「そうですか。
もう大丈夫ですよ。
病室に戻ってみて下さい」
アイツはその道のプロだからね。
おばさんは病室に戻って扉を開けた。
直志さんはコフィの肩を借りて立っていた。
「あら直志。トイレなら私が」
おばさんが肩を貸す
「トイレじゃないよ。
早く退院して、ロボットを作るんだよ。」
直志さんは生き生きしていた。
おばさんが一番驚いていた。