「コフィのバッテリーはどれくらい持つんだい?」
電池ではないだろう。
バッテリーが内蔵されているはずだ。
「バッテリー。
旧式の蓄電池ですか?
ワタクシは
1ガイルのエナムカード、一枚で36時間フル稼働します。」
…え?
1ガイルは単位だとしてエナムカードとは何だろう?
「エナムカードって、何?」
遅れているのか俺は。
「エナムカードはエナムカードです。
これです。」
太もものカバーを開けると電源スイッチの横に黒いカードが貼ってある。
最新の電池と理解した。
コフィが剥がして見せる。
エナムカード。1ガイル。
メイドインJapChi ?
「メイドイン…」
「ジャプチ。企画の日本と生産力の中国の合作のマークです。
今や中国の技術力は世界一です。ワタクシもジャプチです。」
「合作。
国名が2つってアリなの!?」
全然ニュースとかでやらないしなぁ。
知らないことだらけだ。
「充電するならコンセントはここだから、勝手に使って。
俺はちょっと寝るよ。
昼から仕事なんだ。」
「おやすみなさいませ。
コンセントは不要です。」
横になって背を向ける。
しばらく横目で様子をうかがっていたが。
部屋が暖まったからか寝てしまった。
「全部狂っている。
2013年で止まっている。
2025年に直さないといけない。
レトロな家電を集めているのかしら?
全部コンセント式だ。
当然、ワタクシの充電は不可能。」
コフィは独りで作業をした。