「生年月日。
血液型、病歴、アレルギー。
何でも登録しておくためのアンドロイドです。
痴呆性介護機能付きです。」
どっかの金持ちは、自分がボケたとき用に投資しておくのか。
家政婦に介護。
薬や通院。
財産管理までアンドロイド任せとはな。
随分と値が張るモノを持ってきてしまった。
コーヒーが来たとたんにガマンして飲み干した。
口に火傷しながらファミレスを飛び出した。
コフィをおんぶして車へ
誰かに付けられていないか。
遠回りして帰宅すると、早朝の新聞配達をやり過ごして、家に飛び込んだ。
「コフィ。走るんだ。」
「ハイ。ナイトー様」
バタンとドアを閉める。
「大丈夫だ。誰も来ない。」
「大丈夫とは?
とにかく、お宅に入りましょう。」
「お宅に入ってるじゃないか。」
「これがハウス。
失礼しました。ゲートかと。」
「‥‥ゲート。
やっぱりコイツは場違いなんだな。
プールもピアノも暖炉もない、庶民の家だ。」
「掃除が早く終わります。」
「そ、そうだろ。」
他に取り得は無いからな。