いじめじめじめ マガレナイ | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

うつむいて廊下を戻る。

階段の踊場の鏡

このガラスの向こうの世界

ガリガリ学ラン男もうつむいている。

お前は卑怯者。
お前は変人。
お前は気持ち悪い。
オカマ野郎。

ブツブツとぶつけ合う。

腫れた目を前髪で隠す。



血は溜まるし、トイレにこもることにした。

チャイムが鳴って、慌てて走り過ぎるアシェラさんを見た。

トイレのドアに向かって、横目で彼女を追う私。

個室に入って便座を上げる。

唾をプッとしながら

男らしくしなさい

を考えている。



洋式便器を眺めて男と女の違いを整理する。

性同一障害?

医者が発明した理論だ。
何か病名をつけないといけないのだろう。

これが世に知れてきた。

障害なんて付けられて迷惑する。


男らしく。

らしく?



私は乗り物を間違えた。

砂利道にF1で来てしまった。

装備もトルクもコクピットも違う。

ダートコースのコーナーをラリーカーがドリフトしてワイルドに曲がる。

私はフルブレーキで慎重にコーナーに進入。

アウト イン アウト

アクセルを開けずに、かすかなグリップで曲がる。

ここに不器用さや異色さが出てしまう。

かといって、
今更、エンジンを載せ替えはできない。

コーナリングの腕をあげるしか
らしくなる方法は無い。


めんどくさい。

血が止まってきた。


男便所の便器に血がたまってる。

面白い。

でも、三回流して廊下に出た。