いじめじめじめ シューズ | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

私の高校。

何の特徴もない。

何の為に突っ立っているのかわからない横田だが、今朝はLINEの着信音を聞きつけ、その生徒のスマホを没収する。

(スマホ持ち越し禁止の学校なのだ。)



なぜダメなのかを聞いてくる生徒に
規則だから
と答える横田。

校門で言い合う邪魔な二人をよけるカラフル集団と私は昇降口に入った



スチールのシューズボックス
スッタンと上履きを垂直に落とし、靴を放り込んでバッチャンと蓋を閉める。

スッタンとバッチャンでスクールデイが始まる。

私の場合
スッタンとバッチャンと
「キャア!」
だ。

そして、蛇のおもちゃを仕込んだあいつらに笑われる。


「キャア!だってよ。きしょ」

「キモっ」

聞こえるように言うあいつらに返す言葉は無い。

黙って上履きの画鋲トラップを確認して、そそくさと逃げる。

いつからか日課になった。

こんな私は公共施設の学校で、まるでスパイのように警戒している。

階段を上って、踊場の鏡の私と目が合う。

その鏡の前に立ち、前髪を気にしているアズサは、私が現れたのを確認してから去った。

「おはよ…ぅ」
階段を駆け上がるアズサには聞こえないよね。

振り返って、鏡の私を眺める。


アズサはクラスの人気者
私は、クラスにいても気にされない。

ため息が出そうだけどこらえた。

私は、姉と何が違うの。

性格もしぐさも一緒。


ただ、この鏡に写るうっすらヒゲの生えた学ランの私は

まだ受け入れられない。