~IOTA DEN~ 94 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

《坊主と小娘を預かった。ズカッタ。カッタ》

「和尚と華伽を!」

《貴様等、解毒薬は持って来たろう。
ここには複製の破滅香がたんまりあるからね。カラネ。》

「どこからだ?」
「スピーカーじゃないか?」

暗闇に目を凝らす。

《人質に灯りを点けろ》


《ポゥ》

二脚の椅子の周りにろうそくが灯る。

揺れる炎が椅子に座る人影を照らす。

右に和尚 左に華伽

手足を縛られている。
和尚の顔は鉛面を外されて殴られていた。

「和尚さん!」
楼射が駆け寄る。

《バン》
ガラスだ。
楼射はガラスに体当たりをした。


《無駄だよ。
見てくれ、年代物の電気椅子だろ。》
ガラスの向こうにオールバックの男が現れた。

男は、ろうそく台を持って歩く。

テカテカのオールバックにろうそくの光が良く反射する。

「老子だな。」
「あれがボスか。」
「老子っても、若いんだな。」
「師匠って意味かもな。」

『うちの兵が世話になったな。
この2人も、電流で丸焼きにしてみようか。』
老子の声は、ガラスでこもっているが、こだまはしなくなった。

「やめろ。」有火馬

『フフ。
坊主は、もう殺してもいいよなぁ。』
ろうそく台に溜まった
ろうを和尚のうなじに垂らす。

「…」
耐える和尚

「てめぇ。」
重烏

『女は…
そうだ。
クロハネの血を繋げやろう。

だから、安心して全滅していいぞ。
イオタとかいうのが地獄で待ちわびてるんだろ?』

男は華伽の服に右手を突っ込んだ。